ネロリ精油はビターオレンジの花から抽出される精油です。17世紀末にイタリアのネロラ公妃がビターオレンジの花から抽出した精油を愛用しており、社交界で流行したことからネロリと呼ばれています。たくさんの花からわずかな精油しか採油できないため、大変貴重で高価です。
また、開花したばかりの花から抽出されるネロリ精油は「ネロリビガラード油」と呼ばれネロリ精油の中でも最高級品です。柑橘系の植物から採油されるネロリ精油ですが、抽出部位が花であり、採油方法が水蒸気蒸留法であるため光毒性はありません。
花からネロリ精油が採油できるオレンジビターの果実から採れる精油はオレンジビター精油と呼ばれ、葉から採油できる精油をプチグレン(プチグレイン)精油といいます。
基本データ
学名 | Citrus aurantium(キトルス・アウランティウム) |
和名 | ダイダイ |
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科名 | ミカン科 |
採油方法 | 水蒸気蒸留法, 圧搾法 |
抽出部位 | 花 |
主な産地 | エジプト、フランス、モロッコ、イタリア、チュニジア、ポルトガル、スペイン | 主な芳香成分 | モノテルペンアルコール類:リナロール(30~40%)、ゲラニオール(~5%)、α-テルピネオール(~5%) モノテルペン炭化水素類:リモネン(5~15%) エステル類:酢酸リナリル(5~10%)、酢酸ゲラニル(~5%) セスキテルペンアルコール類:ネロリドール(~5%) |
主な作用 | 催淫、利尿、刺激、収れん、強壮、強肝、抗うつ、抗リウマチ、抗炎症、消化促進、発汗、皮膚軟化、自律神経調整、血圧上昇、血圧降下、血行促進、通経、鎮痙、鎮痛、鎮静、頭脳明晰化 |
心への効能
優雅なフローラル調の香りがストレスが発散できずにイライラやもやもやした気分、大きなショックを受けて不安や緊張で高ぶった心を落ち着かせてくれます。交感神経を鎮めてリラックスさせる効果があり、不眠症の改善にも役立ちます。
身体への効能
自律神経のバランスを調整して、緊張や不安感からくる発汗や口の渇きを和らげ、胃痛や下痢といった神経性の胃腸トラブルにも効果が期待できます。ネロリドールというネロリ特有の成分には月経前症候群や更年期障害など女性の不調改善に効果的です。
肌への効能
血行を促進させ肌の新陳代謝を促し、潤いやハリ、透明感のある肌に導きます。緩やかではありますが収れん作用もあり、たるみや毛穴の開きのケアにも適しています。刺激が少なく、敏感肌の人でも比較的使いやすい精油です。