ジャスミンは中国からインドにかけてのヒマラヤを原産とする植物で、白色の小さなかわいらしい花をつけます。
ジャスミンは約300種類存在しており、その中でもアロマテラピーにおいてはスペインジャスミンと呼ばれる種類が多く使われています。ジャスミンという名称は、神からの贈り物を意味するペルシャ語が由来といわれており、ムスクに似た濃厚で甘くエキゾチックな香りが特徴的です。その芳香性の高さから「香りの女王」とも呼ばれています。古代エジプトでも栽培が行われており、クレオパトラも愛した香りという伝説が残っており、現代においても香水にも必要不可欠な原料になっています。
しかし、ジャスミンの花の採種には大変な手間がかかるうえ、1000kgの花からわずか1kg程度の精油しか採れないためとても貴重で高価な精油です。熱で香りが壊れやすいため有機溶剤を用いて採油されます。
基本データ
学名 | Jasminum grandiflorum(ヤスミヌム・グランディフロールム) |
和名 | ソケイ |
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科名 | モクセイ科 |
採油方法 | 揮発性有機溶剤抽出法 |
抽出部位 | 花 |
主な産地 | エジプト、アルジェリア、インド、モロッコ、フランス、イタリア、コモロ | 主な芳香成分 | エステル類:酢酸ベンジル(15~40%)、安息香酸ベンジル(15~20%) ジテルペンアルコール類:フィトール(5%~15%) モノテルペンアルコール類:リナロール(5%~10%) |
主な作用 | 催乳、催淫、分娩促進、女性ホルモン様、子宮強壮、強壮、抗うつ、抗炎症、殺菌、皮膚軟化、通経、鎮痙、鎮痛、鎮静 |
心への効能
鎮静効果によって悲しみや怒りなどネガティブか感情が溢れ出しそうな時に心を鎮めてくれます。抗うつ作用があり、多幸感や自信を持たせてくれる香りで産後のマタニティーブルーによる情緒不安定を和らげる効果も期待できます。
身体への効能
インドやアラビアでは媚薬として使用されるほどの催淫作用があります。子宮のトラブルに効果的で、月経痛や月経前症候群の緩和に役立ちます。子宮の収縮を促す作用があるため出産時にも用いられます。母乳の分泌を促す効能もあり出産から産後までサポートしてくれます。
肌への効能
有機溶剤を使って抽出されていますがアレルギーなどがなければ皮膚に使用することが可能です。どの肌のタイプにも適しており、細胞促進作用があることからシワの予防や改善などアンチエイジングケアに役立ちます。皮膚軟化作用や抗炎症作用があるため、肌のごわつきの軽減やニキビや肌荒れを落ち着けるのにも効果的です。