ラベンダーには非常に多くの種類があり、それぞれ成分や香りも異なります。アロマテラピーで最もよく使われるのは真性ラベンダーと呼ばれる種類です。ローマ人が傷口を洗ったり沐浴の際にラベンダーを使用したりしたため、ラテン語の「洗う」という意味の「lavare」がラベンダーという名称の由来になっています。
古くから万能薬として使われている真性ラベンダーは、ヨーロッパ原産の常緑灌木です。紫色の花が一般的ですが、白やピンクの花をつけることもあります。花だけでなく葉にも香りがあり、やわらかなフローラル調の香りの中にもウッディーなやや深みのある香りが含まれています。
アロマテラピーのはじまりも実はラベンダー精油にあります。ルネ・モーリス・ガットフォセ博士が実験中にやけどを負い、近くにあったラベンダー精油をつけたところ傷が癒えるのが早かったというエピソードがアロマテラピーの起源です。
基本データ
学名 | Lavandula angustifolia(ラワンデュラ・アングスティフォリア) Lavandula officinalis(ラワンデュラ・オフィキナリス) |
和名 | ラベンダー |
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科名 | シソ科 |
採油方法 | 水蒸気蒸留法 |
抽出部位 | 葉と花 |
主な産地 | フランス、ブルガリア、オーストラリア、イギリス | 主な芳香成分 | モノテルペンアルコール類:リナロール(30~50%)、テルピネン-4-オール(1~5%) エステル類:酢酸リナリル(35~40%) |
主な作用 | 健康回復、催眠、免疫賦活、強壮、強心、抗うつ、抗ウイルス、抗炎症、抗痙攣、抗菌、殺菌、瘢痕形成、細胞修復、血圧降下、血行促進、鎮痙、鎮痛、鎮静 |
心への効能
鎮静作用の強いリナロールや酢酸リナリルが真性ラベンダーの主要成分になっており、ストレスやショックな出来事で緊張や不安にとらわれた心をリラックスした状態に導きます。自律神経のバランスを整え、スムーズで深い眠りに誘う効果も期待できます。
身体への効能
鎮痛作用があるため、頭痛、月経痛、筋肉痛、関節痛、歯痛などさまざまな痛みを鎮める効能が期待できます。免疫力を高める作用や、殺菌作用があることから感染症の予防にも効果的です。血行を促進してリンパの流れをよくする作用があるためむくみの改善にも有効的です。
肌への効能
優れた抗炎症作用で、日焼けや火傷などの炎症を鎮めて治りを促します。抗真菌作用、抗菌作用もあるため傷の化膿を防いだり、ニキビ、虫刺され、水虫などの肌トラブルを改善したりするのにも効果的です。敏感肌を含め、どの肌質のスキンケアやヘアケアにも向いています。