パチョリ は東南アジアが原産の常緑多年草で、日当たりが良い肥沃な土地に育ちます。花はあまり咲くことがなく、化粧品などの香料としてよく使われます。
かつて大変高価なショールなどをインドからヨーロッパに輸出するときに防虫剤として使用されました。そのため、本物のインド産織物かどうかは パチョリ の香りがするかどうかで判断されていた時期もありました。
エキゾチックでスモーキーな墨汁のような香りは、好き嫌いがはっきりと別れる個性的な香りともいえますが、時間が経つにつれて熟成されるとローズのような芳醇な香りに変化していきます。
マレーシアやインドや中国では、虫刺されや蛇にかまれたときの解毒薬として使用されていました。催淫作用があることでも有名な精油です。
基本データ
学名 | Pogostemon cablin(ポゴステモン・カブリン) Pogostemon patchouli(ポゴステモン・パチュリ) |
和名 | パチュリ、パチョリ |
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科名 | シソ科 |
採油方法 | 水蒸気蒸留法 |
抽出部位 | 葉 |
主な産地 | インドネシア、インド、マレーシア、スリランカ、ミャンマー、パラグアイ、ブラジル | 主な芳香成分 | セスキテルペンアルコール類:パチュロール(30~45%) セスキテルペン炭化水素類:α-ブルネセン(5~20%)、α-パチュレン(5~15%) |
主な作用 | うっ滞除去、催淫、収れん、女性ホルモン様、抗うつ、抗炎症、殺菌、瘢痕形成、皮膚軟化、組織修復、血行促進、解毒、鎮静、防虫、頭脳明晰化 |
心への効能
鎮静作用により緊張や不安を和らげて、情緒を穏やかで安定した状態に導きます。意識をクリアにして判断力を高める働きもあります。考え事をしていてイライラしてしまいそうなときや、冷静に何かを考えたいときに有効な精油です。
身体への効能
女性ホルモン様の作用があるため、月経不順、更年期障害、月経前症候群など女性特有のトラブルに効果的です。血行を促進させる作用があり、冷え性の改善にも役立ちます。炎症を抑える効果があることから筋肉痛や関節痛、腰痛などの改善にも有効です。
肌への効能
皮膚を柔らかくして皮膚の再生を促し、傷やあかぎれやしっしんなど肌荒れの症状を緩和させ早く治す効果があります。収れん作用があり、ダイエットや産後のお腹などたるんだ皮膚の引き締め、シワの改善にも効果的です。