化粧品の意外な罠「キャリーオーバー成分」とは?
公開日:2021年 12月 16日
化粧品を選び、購入する際に成分表を確認している、という方は多いと思います。どんな成分が含まれているか、自分の肌に合わない材料が使われていないか、特に敏感肌や化粧品での肌荒れに悩んでいる方は気になるところですよね。
しかし、成分表には全ての原材料が記載されている訳ではないとご存知でしたでしょうか?
普段の生活では見聞きすることのない「キャリーオーバー成分」についてご紹介していきます。
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「キャリーオーバー成分」とは
化粧品を製造、販売するためには、消費者がアレルギーなどを起こす恐れのある材料・商品を容易に選択しやすくするために、全成分表示が義務付けられています。ただ、特例があり、「キャリーオーバー成分」は表示しなくてもよいというルールが設けられています。
全成分表示義務がある中でも表示義務のない「キャリーオーバー成分」とは、一体何なのでしょうか?
「キャリーオーバー成分」とは、原料・成分の品質を保持するために使っている成分であり、製品になった時には微量であるためその効能効果を発揮しない成分のことをいいます。例えば、配合成分の保存のために添加される防腐剤や酸化防止剤などが該当します。
「キャリーオーバー成分」の落とし穴
表示されない隠された「原料」
日本では化粧品類のパッケージには全成分表示の義務があります。その表示義務があるのは使っている「成分」であって「原料」に関しては表示義務がありません。
「原料」には特定成分を高濃度で抽出したり、独自に開発した成分を製造しますが、その成分の安定のために防腐剤などの化学物質を添加したり、原料を抽出するにあたり余計な成分が残ってしまうこともあります。この「キャリーオーバー成分」が製品に含まれていても、表示義務がないため記載のない成分が入っていることもあります。
例えば、植物エキスを抽出するのにアルコールが使われていたり、原料の安定のために防腐剤が使われていても、「アルコール無添加コスメ」という表示で、販売ができてしまうのです。
全成分表示の義務は消費者にとって安心材料になるかと思いきや、実は「キャリーオーバー成分」が入っている可能性があるという罠があり、消費者はこの事に気をつけて化粧品を選ぶ必要があります。また、「キャリーオーバー成分」の表示義務がない事は、化粧品メーカー保護とも受け取れる部分があるのです。
化粧品成分の元をたどっていけば、植物の栽培の過程で化学肥料や農薬を使っていたり、土壌となる家畜の糞は果たして化学成分を含まないのか?など、気になるところがや山積みです。
ここまで遡ってみると、実は化粧品の中に「キャリーオーバー成分」が多く潜んでいる可能性があるのです。
「香料」にも気をつけて
さらに、「香料」もキャリーオーバー成分のひとつです。複数の種類の香りを使用していても、それが芳香目的であった場合は「香料」とひとことの記載で済ませることができてしまいます。香りに敏感・アレルギーを持つ方は、「香料」についての記載も注意する必要があります。
キャリーオーバー化粧品の解決方法
無添加やオーガニック、自然派と書かれていても、「キャリーオーバー成分」が入っている可能性があるという事を説明いたしました。
しかし、なかなか「キャリーオーバー成分」が含んでいる化粧品を見つけ出すのは難しいのが現実です。私たち消費者はどのように「キャリーオーバー成分」に気をつければ良いのでしょうか?
パッチテストをする
無添加化粧品を使用したいと思っている方の中で、「エタノール(アルコール)」が肌に合わない方は、使用前にパッチテストをすることをおすすめします。お酒が弱い方は化粧品の中の微量なアルコールでも肌が荒れてしまう場合があるので注意が必要です。
<パッチテストのやり方>
二の腕の内側(皮膚の薄い部分)を清潔にして、化粧品を少量つけます。
塗布後すぐに反応が出てしまった場合にはすぐに洗い流し、そのアイテムの使用はやめましょう。
パッチテストを行ってから24時間経過しても皮膚に異常が出なければ、トラブルを起こす可能性は低いでしょう。ただ、使用中に何らかのトラブルが出た場合にはすぐに使用を中止しましょう。
メーカーのホームページなどから原材料を確認
キャリーオーバー成分は効能効果を発揮しないとされているため、そこまで神経質になる必要はないとされています。しかし、特定の物質を避けたい場合やお子様に使用する場合は、メーカーのwebサイトをチェックして原材料の産地や収穫方法、製造・加工についてより詳しく確認するのが良いでしょう。サイト内にキャリーオーバーについての説明があるのかなどもチェックすることも良いでしょう。webサイトなどを確認しても記載がない場合や心配な成分がある方は、企業に問い合わせたり、店頭のスタッフに尋ねるてみてください。
キャリーオーバーでない商品をご紹介
今回ご紹介するブランドはamasia storeの中でもキャリーオーバーをせず全成分を表示しているブランドの一部となります。他にも多くのブランドがキャリーオーバー成分の表示を心がけており、安心して商品を選んでいただくことができます。その中でも人気のアイテムをご紹介致します。
YAECO オーガニックカカオバターソープ 〈化粧石鹸〉70g
化学肥料に頼らない自然な環境で育ったオーガニックカカオを使った植物由来成分100%
の石鹸。カカオオリフェノールたっぷりで、保湿成分のカカオバター、オリーブオイル、アボカドオイルなどの植物成分たっぷり。YAECOは化学肥料に頼らない自然環境で育ったオーガニック原料にこだわったアイテムを作っています。
ORIENS’TELLA シャンプー03&コンディショナー05 ポンプ付き セット
コラーゲン、ヒアルロン酸、などの天然由来成分をはじめ、オーガニックオイルを贅沢に使用しシャンプー&コンディショナー。ピュアな植物成分と植物由来化学成分の融合により、髪や頭皮に優しいヘアアイテムです。
babybuba ヘア&ボディシャンプー + ボディ&マッサージオイル セット
国内で企画〜製造まで行う日本人の肌質に合うスキンケアブランドです。赤ちゃんからデリケート肌の大人までつかえて、厳しいオーガニックグレードを取得。原料にもかなりこだわりがあり、安心して使えます。
「キャリーオーバー」成分があることを知っていれば
全成分表示義務があるとはいえ、極微量にアレルギー成分が入っている可能性があることは理解いただけましたか?化粧品を使用して何らかのトラブルが出た場合にはこの「キャリーオーバー成分」を疑ってみるのも一つです。
自分の目でしっかりと選ぶ商品を厳選し、キャリーオーバー製品でないものをチョイスできるようになりましょう。