ローズと同じ芳香成分、ゲラニオールやシトロネロールなどを多く含み、ローズに似た香りを持つことから、別名ローズゼラニウムとも言われています。この香りには、心と体のバランスを整える作用があり、不安定な気持ちに働きかけ、いらいらや落ち込み、緊張なども和らぎます。
精油は栽培種センテッドゼラニウムの代表種ローズゼラニウムから採油されています。多年草で、果実の形がコウノトリ(ギリシャ語でpelargos)のくちばしに似ていることからPelargoniumという属名になりました。開花前の花と葉を収穫し、1日放置したのちに蒸留されます。
シトロネロールは蚊が嫌う香りで昆虫忌避作用もあります。
基本データ
学名 | Pelargonium graveolens (ペラルゴニウム グラウェオレンス) Pelargonium asperum(ペラルゴニウム アスペルム) |
和名 | 匂い天竺葵 |
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科名 | Pelargonium属 フウロソウ科 |
採油方法 | 水蒸気蒸留法 |
抽出部位 | 花、葉 |
主な産地 | レユニオン島、マダガスカル、エジプト、モロッコ、フランス、イタリア、スペイン、南アフリカ、アルジェリア | 主な芳香成分 | モノテルペンアルコール類:シトロネロール(25〜40%)、ゲラニオール(20〜30%)、リナロール(5〜15%) エステル類:蟻酸シトロネリル(5〜15%) ケトン類:イソメントン(〜10%) アルデヒド類:シトラール(微量) オキサイド類:ローズオキサイト(微量) |
主な作用 | 収れん、強壮、抗うつ、抗凝血、抗炎症、抗菌、殺菌、消臭、癒傷、細胞成長促進、自律神経調整、血管収縮、血糖値低下、鎮痛、鎮静 |
心への効能
副腎や視床下部に働きかけ、ホルモンバランスや自律神経のバランスを整えて、いらいらや落ち込み、緊張、不安などの不調にやわらげて気分を明るくします。
情緒不安定、月経前緊張症、更年期障害などの症状をやわらげるのに効果的です。
身体への効能
ホルモンバランスを整える作用から、生理痛、生理不順、PMS、更年期障害などの婦人科系の症状をやわらげるほか、リンパの滞りをよくして体内の余分な水分や老廃物を排出することにより、むくみやセルライトの解消を促します。
肌への効能
しみやしわ、アンチエイジング、皮脂のバランスを整える働きがあることから、スキンケアによく使われます。乾燥肌、脂性肌、混合肌に。油分の多いTゾーンや乾燥しがちな目尻、口元にも効果的です。収れんして止血する作用があり、傷や炎症をやわらげる効果もあります。フケや脱毛などスカルプケアにも使われます。